セルロースファイバーとは?断熱材の特徴と実際の断熱効果

セルロースファイバーは断熱材の中でも特に優秀な建材です。しかし、日本で普及させるにはまだまだ課題も多いようです。

photo by Jesus Rodriguez

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セルロースファイバーとは?

セルロースファイバーとは、細かな繊維が絡み合ってできた木質繊維の断熱材です。アメリカが発祥で1970年に初めて登場し、現在ではアメリカで使われる断熱材の約35%を占めています。

日本では聞き慣れない名前ですが、それもそのはず。日本での普及率はたった2%にしか過ぎません。

しかしセルロースファイバーには日本で使わないのがもったいない位「優れた性能」が多い素材です。

断熱効果があるのはもちろん、それだけじゃ終わらないのがセルロースファイバー。

セルロースファイバーが優れている点として「高い防音効果」があります。

セルロースファイバーはその構造上、空気の層が繊維の間に豊富に存在。空気の層が通さないのは熱だけではなく、「音」も吸収するため高い防音効果が期待できるという仕組み。

また「吸湿効果」も優れています。セルロースファイバーは木材に似た性質を持っているので、状況に応じて水分を出し入れし湿気を調節する事が可能。なので、結露予防やダニ・カビ等の予防にも効果的です。

さらに成分に「ホウ酸」も含まれているので、高い防虫効果も。虫食いによる腐食まで防げてしまいます。

セルロースファイバーの断熱効果はどれぐらい?

セルロースファイバーの断熱効果は「分厚い空気の層」によって、簡単には熱を通さない作りをしているからです

繊維の間の空気層だけではなく、一つ一つの繊維の中にも細かな気泡が多く含まれている事が特徴です。

この「二重の空気層」が断熱効果だけではなく吸湿や防音効果ももたらしてくれる理由です。

セルロースファイバーの熱伝導率は0.04 W/mK。これはコンクリートが1.6W/mK、杉の木が0.08W/mKなので、これらと比較してもかなり断熱性が高い事が分かりますね。(※熱伝導率は数字が低いほど、熱を通しません)

ではこれ程までに万能な断熱材が、なぜ日本で使われないのでしょうか?

一因として、業者にとってコストがかかる割には儲からない事があげられます。

まずセルロースファイバーを扱うために専門の講習を行わねばなりません。誰にでもできることではなく、職人的なスキルが必要。

さらにセルロースファイバーを施工するための専用の機械も導入する必要がありますが、これに100万円以上の経費が必要でこちらも高価。

そして、セルロースファイバー自体が決して安いものでなない事も普及が進まない理由のひとつと言えます。

▶関連:【リフォーム】断熱材にはどんな種類がある?効果と性能比較

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