マンションのキッチンを広くするためのリフォームをしたい!という時。まず、どんな方法があるかのか?を知りたい人に参考になる記事です。
狭いスペースを広く使うためのアイデアやリフォーム技を一覧で紹介します。
【その1】古い壁付けI型から、最新のI型キッチンに変更
古いタイプのキッチンを使っているなら、難しく考えずに最新式のシステムキッチンに変更するだけでもキッチンを広くする事ができます。
キッチンが狭くなってしまうのは、「収納スペース」が少ない事も大きな一員です。
古いタイプのキッチンは、排水管周りや足元に無駄なスペース(デッドスペース)が、かなり多く、その分だけ別の場所に収納スペースが必要に。
他のスペースに広げて収納していた分を、システムキッチン内にキレイに収める事ができれば、その分だけ他のスペースも広げる事ができるので、キッチン全体を広く感じるというわけです。
同じサイズで比較してみると、今の最新式のシステムキッチンと古いキッチンでは、ここ20年で収納力はほぼ2倍違いがあるとも言われているほどです。

出典:http://www.lixil.co.jp/lineup/kitchen/richelle/parts/parts09.htm#parts09_01
LIXILの収納力が高い「リシェルSI」を例にするとこんな感じ。デッドスペースを作らずに無駄なく収納しつつ、実際に料理を作っている時にも、欲しいものが取り出しやすい工夫がされています。
続いて、TOTOの人気モデル「mitte(ミッテ)」を例に↓

出典:https://jp.toto.com/products/kitchen/mitte/feature/03.htm
- 1:コンロ真下にフライパンや片手鍋などが、しゃがまずに取れる配置。スパイスラックもここ。
- 2:調理スペースの真下に、フライ返しやオトマ等の調理グッズを。その下に、油や酒などの調味料を入れます。
- 3:シンク下のキャビネットにはボウルやザル、包丁等の下ごしらえで使う道具を集約

出典:https://jp.toto.com/products/kitchen/mitte/feature/03.htm
- 4:大きめの鍋やグリルパン等をコンロの一番下に収納。
- 5:たまにしか使わないストッカー類はここに。
- 6:カセットコンロやハンドミキサー等の調理道具はこのスペースに集約
こんな感じに、最新式のシステムキッチンでは、一切無駄がなくスペースを有効活用しています。
【その2】I型から対面式に変更する
キッチンの配置方法は、大きく次の4つに分けられます↓

この中で、今の現状が壁付けのI型キッチンタイプの場合は、対面式のキッチンに変更する事で、作業スペースを増やす事ができます。
対面式にする場合は、「後ろに何もない状態」に仕上げるは稀で、後ろの壁際にも収納スペースを設置するのが普通。(「Ⅱ型」等と呼ばれます。)
「壁付けのみ」だった頃と比べると、「壁付け+対面キッチン部分」に面積が増えるので、単純に2倍〜は収納力がアップします。
注意点としては、壁付けのI型から対面式に変更する場合は、「設置面積が思ってる以上に必要になる」という事です。
キッチンスペースとしては広く快適になったものの、その分、他のリビングスペースは狭くなってしまいます。(対面式カウンターの上部に収納をつけない事で、ある程度の開放感は維持できます。)
また、マンションでキッチンを移動する場合は、「マンション規約」の部分や、「梁」「水道管」など、天井や床下の構造的に制約を受けるケースもあるので、必ず事前のチェックが必要です。
【その3】アイランド式やペニンシュラ型に変更する
先に紹介した「I型から対面式」に変更するリフォームは、一見するとペニンシュラ型のキッチンに変更しているように思えます。
ですが実際は、対面カウンターの壁となる部分を造作して、その部分にI型キッチンを設置するという「ペニンシュラ型風」の対面式のケースが多いです。
なぜ、ペニンシュラ型キッチンを入れずに、わざわざ壁を造作してまでI型キッチンを選ぶのか?というと…単純にI型キッチンの方が値段が手頃なものが多く、造作部分工事を含めても、本来のペニンシュラ型タイプのキッチンを選ぶよりも安くできるためです。
…ですが、もし「あえて安くする必要がない」「予算は気にしない」という場合には、わざわざI型のペニンシュラ風を選ぶのではなくて、商品として売られているペニンシュラタイプやアイランドタイプのキッチンを選ぶのがおすすめです。
その理由は、次の写真を見ると一目瞭然です↓

作業スペースとして「使える」場所に大幅な違いがあるのが分かります。
ペニンシュラ型やアイランド型タイプのキッチンは、「囲むように調理できる」のが特徴なので、とにかく作業スペースを広くしたい時におすすめです。
もともとスペースをとりやすい「ペニンシュラ風のI型キッチン」と比べると、さらにそれ以上に設置スペースが必要な点には注意しましょう。
開放感は他のキッチンタイプよりもダントツで高いので、他のリビングスペースを犠牲にしてもキッチン優先! という時には候補にあげても、さほど気にする必要はないかもしれません。
動画で紹介しているPanasonicのアイランドキッチン「いろりダイニング」は、キッチンスペースをテーブルとしても使っている一風変わった商品です。
出典:http://sumai.panasonic.jp/1712jukukan/irori-dining/
本来は別々の場所に別れている、ダイニングテーブルとキッチンスペースをひとつの場所にまとめているので、ダイニングテーブルを置く必要がなくなります。
テーブルを置かなくなった分、リビング全体が広くなるので、設置スペースをとりやすいアイランド型でも設定できる可能性を上げる事ができます。
【その4】吊戸棚を作業台にする
普段は隠れている場所に作業台を使う方法として、ウォールキャビネットを活用する方法もあります。

出典:http://cleanup.jp/kitchen/cleanlady/function/wall.shtml
例えば、クリナップの「クリンレディ」は、ワンタッチで自動で昇降するオートムーブのキャビネットです。
キャビネットのタイプによって収納できる小物の種類を色々と選択できる仕組み。
この中で「水切りタイプ」を選択すれば、調理中の一時置きスペースとしても使えるので、その分、下の作業スペースを広く取る事ができます。
(↑動画中の10秒あたりから、キャビネットのオートムーブの様子を見る事ができます)
【その5】コンロからIHに変更する
ガスコンロタイプからIHに変更するだけでも「作業スペースの広さ」を実感する事ができます。
その理由は、実際の様子を見てみると一目瞭然です↓

オレンジ色の部分は、火を使う前にフライパンや鍋、お皿、料理に使う材料などを一時的に置いておけそうなスペースの広さです。
そもそもガスコンロを使っている時には、その周辺に「物を一時的に置いておく」という発想にすらならないかもしれません。
一方で、IHは表面がガラスできれいに油汚れを拭き取れるので、実際に使ってみると一時的に色々なモノを置いておく事が多く、簡易的な作業スペースとして使える事が分かります。
(※ 当然ですが、火を使った後はIHでも無理で。メーカーとしても推奨している方法ではありません。IHを普段から使っている個人としての感想です)

