この記事では、断熱材としてポピュラーなロックウールとグラスウールの違いについて紹介しています。
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ロックウールとは?
ロックウールとは玄武岩や安山岩を原料として作られる人工の鉱物繊維のこと。岩が原材料なだけあって、耐火性に特に優れている事が大きな特徴です。

出典:https://hr.wikipedia.org/
例えば家が火災に見舞われた時、ロックウールが家が崩れるまでの時間稼ぎをしてくれます。一般的に鉄骨の強度が大きく落ちる温度は、600度と言われています。
しかし、ロックウールは650~700度までの耐火性を持っているので、ロックウールを使って施工しておけば、万が一炎が鉄骨に当たっていても最終的に600度に達するまでの時間を伸ばすことが可能。
万が一、火災が発生した時でも「避難できる時間」を確保しやすくしてくれる効果が高いと言えます。
石綿(アスベスト)と似ていて、さらに同じ鉱物繊維のためか、安全性に不安の声も聞かれますが、実際のところ両者は全くの別物。ロックウールに発ガン性は確認されていません。
ちなみに、「もしかして、我が家にアスベストが使われてない?」と、心配になってる人向けに、ロックウールとアスベストの簡単に見分ける方法を紹介。
やり方は、とても簡単で「指でこすってみる」だけです。
- ロックウール:指でこすってみると、粉々に砕ける。目で見ても繊維状に見えない。
- アスベスト(石綿):指でこすっても砕けない。目で見ても繊維状のままになってる。
指でこすった時に、砕けるか?砕けないか?が見分けるポイントです。
グラスウールの断熱効果
グラスウールとは、リサイクルされた硝子から作られた人工のガラス繊維です。これは日本で最も主要な断熱材のひとつになっており、リフォームの時にもよく使用されます。

出典:https://www.oneworld-tf.co.jp/product.html
業者に依頼すれば、「断熱材はまずグラスウール」という位よく使われます。
その理由うは、多くの断熱材の中でもグラスウールはコスパが高くて、「業者にとっても使いやすい断熱材」となっているからです。
ただ「安い素材」という部分が先行してしまい、時には悪い評判が起こってしまうケースも。
例えば、「グラスウールは水を吸って結露が生じてずれ落ちやすい」等と言われたりもします。
グラスウール自体には撥水性があり結露は生じないのですが、一昔前の業界では正しい施工がされないことが多かった為に結露ができたことも多かったようです。そんな当時の名残もあって、「結露が生じてずれ落ちやすい」という悪評が発生するというわけ。
今では、ちゃんとした業者が正しい施工さえしていれば、グラスウールでもこういった問題は発生する事はありません。
一般的なリーズナブルなグラスウールですが、厚さやサイズがかなり豊富で「性能」にも差があります。
上位グレードの高性能グラスウールは普通の物より繊維が細いので「空気の層」も厚く断熱効果も高いです。ただ、その分、値段も当然高くなってきます。
ロックウールとグラスウールの断熱効果の違い
単純に断熱効果を比べてみると、ロックウールと「高性能なグラスウール」なら断熱性能にそこまで差はありません。
目安として「高性能グラスウール」と「ロックウール」の断熱効果がほぼ同じくらい。断熱効果の高さを見る時には熱伝導率である「W/mK」を使いますが、2つを比べてみるとこんな感じになります↓
| 高性能グラスウール | 0.038~0.058 W/mK |
|---|---|
| ロックウール | 0.036~0.05 W/mK |
高性能なグラスウールと、ロックウールの値段を比べてみると、どちらもほとんど同じぐらいの値段で、価格の差もありません。
ここまでの情報を一覧でまとめると、こんな感じです↓
| グラスウール |
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|---|---|
| ロックウール |
|
「高性能グラスウールとロックウールではどちらが良いのか?」となると、実際に断熱材を使う場所や、使われ方によって変わるので、どちらが良い悪いという事にはなりません。
施工場所と家の構造、業者ごとの施工方法も違いがあり、気候条件によっては「どこでも分厚くして断熱すればよいものではない」というケースもあります。

