自分で畳の下を断熱する方法・和室を断熱するコツ

「和室」を自分で断熱する方法についてまとめました。

photo by Otota DANA

目次

実はスカスカ!畳の下を拝見

畳は通気性が良く弾力性や柔軟性を兼ね備えている素材で、日本人にとっても昔から馴染み深いもの。ただ、その通気性の良さからか「冬の冷え」を辛く感じやすい場合もあります。

また、特に何も断熱対策をしてない畳の床下を見てみると、実は、かなりスカスカな状態に↓


出典:https://blog.livedoor.jp/koroyasu_sekou/

根太(ねだ)と呼ばれる支えの部分に、合板が乗せられてるだけで、その上に畳がのっけてあるので、特に北国などの隙間風が強い地域では、「畳だけ」だと底冷えしてしまうのも当然と言えます。

畳の下を断熱する方法

そんな畳の下を断熱するには、例えば次のような方法があります。

  1. 畳の下に新聞紙を重ねて敷き詰める
  2. 畳の下に断熱シートを敷き詰める
  3. 畳の下にグラスウールやロックウールといった断熱材を敷き詰める
  4. 畳下の板を断熱効果のある板に張り替える

少し詳しく解説していきます↓

1.畳の下に新聞紙を重ねて敷き詰める

最も簡単なのは、畳の下に新聞紙等を敷き詰める方法。ただ、これは「昔ならでは」の断熱方法でもあり断熱効果はそこそこ。

わざわざ、「畳を自分でひっくり返す」という面倒な事をやるなら、あえて「そこそこ効果」の方法をとる必要はありません。

2.畳の下に断熱シートを敷き詰める

自分でDIYで畳の下に断熱をしたい!という時に、最も現実的で高い効果も見込む事ができるおすすめの方法。

具体的なやり方については、記事後半に詳しく紹介していきます。

3.畳の下にグラスウールやロックウールといった断熱材を敷き詰める

グラスウールは細いガラス繊維で出来た断熱材で、耐熱・耐食性に優れた素材。ロックウールは岩などを溶融して作られており、耐熱効果はもちろんのこと耐火材としても使用されます。

グラスウール・ロックウールともに吸湿性は低いため、畳の下に新聞紙や除湿シートを敷いてグラスウールやロックウールを敷く方がカビ対策にもなっておすすめ。

▶関連:「断熱材の種類」ロックウールとグラスウールの違いと特徴

ただ、断熱シートと比べ「厚さ」が一番薄いものでも25mm程度は必要なので、畳下のスペースに余裕があることが使える条件に。

また、Amazonやホームセンター等で購入する事はできるものの、施工にテクニックが必要なので(厚みが出る対策等)、自分でDIYでやるというよりは、「リフォーム業者に依頼してやるもの」と思っておく方がいいかも。

4.畳下の板を断熱効果のある板に張り替える

断熱効果のある板として、最もポピュラーで使いやすいのが「スタイロフォーム」と呼ばれるものです。

スタイロフォームは、ダウ化工で販売されてる断熱板の商品名の事で、かなり大雑把に言うなら「次世代タイプのすごい発泡スチロール」です。

実際にこれを使って畳の下を断熱する時には、

こんな風に、スタイロフォームをカットして、根太の間にパカパカとはめこんでいくだけ。発泡スチロールのような素材なので、カッターで簡単にカットする事が可能で、取扱いもラクです。

ただ、実際にはめこむ時には、そのままはめるだけだと…


出典:https://blog.livedoor.jp/koroyasu_sekou/

畳の下はこんな感じになってたので、隙間からするするとスタイロフォームが抜けていってしまいます。

そのため、WZピンと呼ばれる専用金具をつかって取り付けるか、根太の下に落ちないような加工が必要に。ちなみに、材料費を含むこれらの施工を業者で頼むと、6帖程度で約7万円ぐらいはかかります。

お金はかかってもいいから、とにかくしっかり和室の部屋を断熱したい!という時には、こんな断熱効果に特化した畳に買い換える方法も。

こちらは、床下にスタイロフォームを使うのではなくて、畳そのものの材料に「芯」としてスタイロフォームを使っているので、その断熱効果はかなり強力です。

【現実的】畳の下を断熱DIY

…ここまでで、

  1. 畳の下に新聞紙を重ねて敷き詰める
  2. 畳の下に断熱シートを敷き詰める
  3. 畳の下にグラスウールやロックウールといった断熱材を敷き詰める
  4. 畳下の板を断熱効果のある板に張り替える

という4つの畳の下断熱プランを紹介しましたが、途中で伝えたように、自分でもやりやすくて高い断熱効果も見込める方法は、2番目の「畳の下に断熱シートを敷き詰める」という方法です。

畳をひっくり返してはずす。合板の上に断熱シートをサイズを合わせて敷く。タッカー等で止める(面倒な省いても)。畳を戻して完成!

こんな感じに、基本的に畳の下に敷くだけで出来るからです。実際に、この断熱DIYをやる方法は次のとおり↓

その1:畳を外す

まずは、畳を外すところから。畳を外すには、「畳引きかぎ針」と呼ばれる専門用具を使う方法があります。

ただ、こんな専用道具は普通は一般家庭にはなく、わざわざ購入すると4,000〜5,000円もする高い道具なので、マイナスドライバー等を使って代用する方法がおすすめ。

かぎ針をひっかけていたように、「畳のへり」の部分にマイナスドライバーを差し込んで、テコの原理で引き上げるだけです。

畳のへりの部分は、一番丈夫な部分で、それ以外の所に差し込んでしまうと、畳を傷つけてしまう可能性があるので要注意です。

最初の1枚さえ外してしまえば、残りはスムーズに外す事ができます。

その2:断熱シートをひく

床に断熱シートをひいていきます。

畳下用におすすめ


保温シート アルミホットンシート
こたつやホットカーペット用の下敷きアルミマット。アルミフィルム&発泡ポリエチレンで、熱を逃さず冷気をシャットアウト。

畳の下には、こんな感じの「アルミのホットシート」がおすすめ。カッターやハサミでカットしつつ、全面に敷き詰めるだけです。

その3:タッカーで固定

タッカーで固定する事で、畳を戻す時に断熱シートがズレるのが防げます。

そんなに広いスペースでやらない時や、そこまで細かい事を気にしない人は特にやらなくてもOK。

ちなみに、せっかく畳を返したのだから、自分でやれる範囲でもっと高い効果を出したい!という時には、「防湿気密シート」を断熱シートの上にのせて、タッカーで止めるのがおすすめ。

防湿気密シートを断熱シートの上に乗せる事で、室内に湿気や冷気が入るのを防ぎます。特に「湿気」を防ぐ事で、畳の裏のカビ予防にもできます。

その4:畳を戻す

最後の畳を戻します。

畳を戻す時には、できれば「もとあった同じ場所」&「もとあった同じ向き」で戻す方法がおすすめ。

おすすめ…というより、このやり方じゃないと、ぴったり元に戻らず うまくはまらないという自体になりかねません。

畳は、その性質上どうしても ぴったりはめる事が難しく、最初に畳をはめる時にも 現地で微調整しながらはめる事が多いのだそう。

なので、隙間なくはめるためには、もともとあった場所と向きで同じように置くのが確実です。

もとあった場所を忘れないためには、マスキングテープ等を使って畳に向きと番号(位置)等をメモしておき、貼り付けておく。また、マスキングテープを貼った状態で、スマホで部屋全体を写メしておく…等とやっておくと完璧ですね。

その他、和室を断熱するテクニック

和室の断熱方法には、上記で紹介した畳下の断熱方法の他に、部屋の壁や屋根を断熱対策したり、窓やカーテンで断熱対策をする方法等もあります。

近年の住宅では部屋の壁や天井にはすでに断熱材が設置していることが多いのですが、例えば、「天井は断熱対策されているけど壁は未対策」という場合もあるので、一度、チェックしてみるのも良いかもしれません。

壁や天井の断熱対策がなされていない場合は、グラスウールやロックウールで断熱対策がおすすめ。グラスウール等はホームセンターなども購入することが出来、カッターなどで好みのサイズにカットして使うことができます。

また、窓を二重窓にしたり窓枠のサッシを断熱効果のあるサッシに変えると、隙間風やサッシの冷えを抑え、かなりの高い断熱効果を実感できるはず。

▶関連:断熱リフォームを自分でやろう!場所別DIY方法と費用まとめ 

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